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中医学で考える不妊

妊娠するために、ホルモンの分泌が活発になるように役立つ中医学の考え方をご紹介いたします

不妊症周期調節法とは

不妊症周期調節法とは。後にも先にも健康な身体を造る。あるいは健康な身体を取り戻す。ということです。私たちの命は間違いなく両親から授かったものです。材料を混ぜて熱や調味料を加えて作られたわけではありません。人間以外の生命体から産まれたものでもないので す。次の世代にも健康な命をつないでいかなければなりません。そのためには私たちが健 康でなければなりません。 と言ってもあまりに深刻に考えすぎるとストレスがたまり気の流れが悪くなるので身体の新陳代謝や血行などが悪くなってしまいます。 身体作りをしながら楽しいことも考えましょう。

女性の月経周期

女性の月経周期は
《月経期》
子宮内の内膜が血液とともに体外にスムースにすべて排泄されること
《低温期》
卵巣内の卵子が成熟するエストロゲンが分泌される時期。子宮内膜も新しく作られ始める。
《排卵期》
成熟した卵子が卵巣から放出され、卵管を通じて子宮内に到達する
《高温期》
受精卵が着床し、妊娠が継続する。プロゲストロンが分泌される。受精しなかった場合や着床できなかったときはホルモンの分泌がなくなり、月経期に移行する。

この4つの期間の繰り返しです。 妊娠はこのどの期間に異常があっても成立しないのです。まず周期調節法を始めるに際しては、ご自身の基礎体温表を付けていただくことが基本になります。少なくとも3ヶ月くらいのデータがあると、周期調節法をスムーズに実行できます。次に 問題が生じている部分をどのような方法で解決していくか。ということになります。

月経期の問題とその解決

まずは月経期。この時期は最も異常に気づきにくいことが多いです。月経痛は当たり前。塊が出ても「いつものことさ」と流してしまう。月経周期がばらばらでも気にしない。などと関心が低いことが多いのです。要は排卵して受精すれば妊娠O.K.!と思っているひとが多いのではないでしょうか。月経痛はうまく内膜が流れていかないために生ずることが多いです。冷えがあると血行不良になりうまく排泄されないので固まりになる。ストレスがあっても気の流れが悪くなりそれに伴って血行が悪くなる。などの原因が考えられます。(月経痛については前の記事をお読みくださいね)

この時期はすべての基礎ですから月経痛には注意してください。果 たして自分の月経は正常か異常か。他人と比較もできませんからねえ。月経のことを他のひとに聞き歩いたら、やはり変人だと思われてしまいますから、疑 問がありましたら私たちのような専門家に尋ねてください。男性でも大丈夫ですよ。月経痛には血行を改善する活血薬と気の流れをよくする理気薬を飲んでいただきます と、張ったような痛みや差し込むような痛みは取れます。また、月経血が黒ずんでい たり、塊が出るような方にも良いです。

低温期の問題とその解決

低温期の悩みですが日常的に低体温のひとが多いようです。平熱が35度とか中に は35度もないひとがいます。低温期と言っても低ければいいと言うことではありません。卵巣のなかではちゃくちゃくとその月に排卵するべき卵子が育てられているのです。妊娠したら高温期。ばかりではありません。基本的な体温が低ければ卵は成熟できま せん。低温期が36度以下、高温期でも36.5度以下ですと妊娠の確率は低くなります。 全体的に体温を上げるように、補血薬で良い血液を増やし、ホルモンの分泌を増やすため に補腎薬をのみます。同時に活血薬も服用します。

排卵期の問題とその解決

排卵期は成熟した卵子が卵管を通じて子宮に到達して健康な精子に出会わなけれ ばなりません。排卵とともに頸管粘液が分泌されそれに流されるように子宮までたどり着くわけですが、卵管が詰まっていたり、粘液が少なかったりすると卵子は子宮まで来ることができません。卵子が充分に成熟したかや排卵があったかどうかも現在は簡単に確認することもできますが、子宮まで行けたかどうかまではわかりません。もしかしたら途中でダウンしてしまったかもしれないのです。そのうえ卵子の寿命は約24時間しかありませんから受精するということはほんとに貴重な出来事なのです。卵管の途中で妊娠してしまうと子宮外妊娠でこれは母胎には 非常に危険な妊娠ですから排卵された卵子は速やかに子宮まで到達することが大事なことです。

卵管のつまりが考えられる場合には理気、化痰薬を。卵管の働きを改善するために活血薬を。成熟卵子のために補腎薬を。とケースに合わせて服用します。

最近気がついたこと~排卵日について~

ここで 最近気がついたことをちょっと‥‥。 皆さん排卵日を間違っていませんか? 排卵日とはよく月経1日目から数えて14日目。といいますね。これが間違いです。 あくまでもこの14日目というのは月経周期が28日のひとの排卵予定日なのです。 月経周期が30日の場合には16日目。35日周期の場合は21日目になります。 次回月経の14日前に排卵が生ずるのであって月経初日から14日目ではないので す。

排卵があって必ず14日目に月経がきます。この辺の勘違いをしている人がたくさん います。また排卵日も必ずその日ではなく、1日、2日のずれはあります。このことを考えますと排卵日を挟んで、前後5日くらいは妊娠の可能性が大きい期間 になります。

妊娠を急ぐあまり、排卵日というと有無を言わさずご主人に頑張っていただくわけですが、これが勘違いだとすると気の毒です。 一ヶ月にこの日一日のみのお付き合い。なんていうご夫婦が結構多いのにも驚きますが、やはりこれでは妊娠の可能性はほとんど期待できません。妊娠を望むご夫婦には日常的に愛情の交換はしていただきたいと思います。赤ちゃんは二人の愛情の結果 であったほうが幸せですよね? 昔から「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる。」とはよく言ったものだと感じています。

高温期の問題とその解決

高温期の問題ですが、まず体温の上昇と維持ですね。基礎体温表を見ますと高温期は高温期ですが全体に低い場合。 または高温期のあいだに一カ所ガクンと体温が下がる日が出るような場合。 高温期が持続しない場合。まったく高温期が無い場合。 いずれの場合も高温期が一定以上の体温を14日以上維持するようになりたいものです。

黄体は赤ちゃんのベッドですから暖かくてふわふわしていて、栄養が充分供給できなければ卵は育っていけません。流産をくり返す人は黄体が薄く血液も充分に行かないために栄養が少なく、結果として着床できない。この着床障害が原因といえます。もちろん自然の摂理のなかでたまたま異常な染色体をもった場合や細胞分割が上手くいかなかった場合などは自然流産ということもありますが、そういった場合以外に子 宮や黄体が良い条件を整えられないための流産も多いのです。

何度も流産をくり返すことは女性の精神的なストレスや不安感を増します。 気の流れを停滞させてしまうとなおのこと血流が悪くなり、子宮内膜はガチガチの冷 たいベッドになってしまいます。健康な内膜を造ることは妊娠維持のためにも次回の月経にも大変重要なことです。 高温期には体温維持や妊娠維持のために補陽薬と補気薬を飲んでいただきますが、流産を何度も繰り返す場合には「安胎湯」という処方を中心にしばらく安定期になる まで服用していただきます。

妊娠中の薬

妊娠中に薬を飲むことは絶対にいけない。という方がいます。妊娠するために漢方薬を飲む方も多くいます。妊娠において一番危険な時期は妊娠前です。卵子が造られ精子が造られるときからもう妊娠の準備といっても過言ではありませ ん。

そのために産み分け法などでは一年も前から夫婦で食事療法やカルシウム剤などを服用するわけです。漢方薬も同じです。妊娠前から飲んでいるものを妊娠したらどうして「絶対だめ!」になってしまうのでしょうか。 もちろん妊娠後は安胎作用のあるものに変えていくのですが、妊娠したとたんに「だめ!」になってしまうのは残念だと思います。特に高齢出産の方には安全に軽いお産 をするためにも安全な処方で服用を続けてほしいですね。

しかし、活血薬は「絶対だめ!」ですから、妊娠がわかった時点で中止します。 妊娠のためには血流を良くし、流れを改善しなければならないのですが、妊娠したら 流してはだめですからね。

このように 周期調節法はからだのサイクルに合わせてオリジナルの処方を組み立てて行きます。すべてのひとがそれぞれに違いますのでお一人で悩まずにご相談ください。

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実力薬局100選・2部門で受賞

[NEW] 2024年度実力薬局100選において「漢方相談薬局部門」「不妊・子宝部門」を受賞しました。

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